総報酬制と在職老齢年金

昨年4月の総報酬制導入から1年になるので、いよいよ在職老齢年金の計算方法も変更になる。この1月に特別支給の厚生年金の受給権が発生し、「年金減らされるのいやだから、お給料の額いくらにしたらよいか教えて」というお客様(経営者)がいたので、エクセルでシミュレーションを作ってみる。

  • 基本月額=年金額(年額)から20%ひき、それを12で割ったもの。いままで標準報酬月額と呼んでいたもの。
  • 総報酬月額相当額=基本月額に過去1年の賞与額(1回分の上限150万円)を12で割ったものを加えたもの。要するに、賞与込みの基本月額。
という、ふたつの数字から算出するのだが、条件は4つに分かれ、それぞれ計算式を当てはめる。
  1. 基本月額が28万以下
    1. 総報酬月額相当額が48万以下
    2. 総報酬月額相当額が48万超
  2. 基本月額が28万超
    1. 総報酬月額相当額が48万以下
    2. 総報酬月額相当額が48万超
どうやって分岐させようかなー、と頭をひねっていたのだが、よく考えてみたら、基本月額が28万円超えるような年金額(420万以上!)なんてケースには、いままでお目にかかったことがない。わたしが応対するお客様というのは、中小企業の経営者や従業員なので、年金額は200万もあればけっこういいほう、という感じなのだ。そこで、28万超という条件はさっくり無視して作成した。これならば簡単である。
さらに、雇用保険の高齢継続給付がある場合も作る。こうやってせっせと作っても、じきに法律が変わってしまって、また作り直しになるのであるが、変数を用意しておいて、最小限の変更ですむようにしておけばよい。
こういう作業は、ついつい熱中してしまうのが困りものである。別に急ぐわけでもなかったんだけどね。